interview 株式会社大谷商會
プロローグ
prologue
株式会社大谷商會
・業界:商社
・設立:昭和25年3月4日(創業:大正11年12月20日)
・資本金:4,500万円
・社員数:約100人(2017年11月現在)
*森のリトリート導入時期:2011年9月

2011年、産業設備の商社として歴史を持つ株式会社大谷商會(以下「大谷商會」と表記)は、経営体制の変化のタイミングで、経営陣の信頼感・結束を高めるために、経営の中核メンバー一同で森のリトリートに参加されました。
森のリトリートの体験を参加者である大谷太郎さん(専務)、折笠義之さん(総務本部長)、原田善弘さん(IT事業担当)、中村一紀さん(営業本部長)(役職は参加当時、以下敬称略)にうかがいました。
インタビュー本編
main part
今のメンバーで
間違いなかった
― 「森のリトリート」から持ち帰ったものとは、経営者として得たものは何でしょうか?

大谷:今のメンバーで間違いなかった、間違いがないということに自信が持てた。この感覚を持てたというのが会社としても一番。それがあれば、何でもできる。

大谷:壁はなくなっていますね。私も東京にいることが多いですし、福岡と新潟に分かれているので、これまではいろいろと遠慮することが多かった。自分の担当分野じゃないとなかなか言いにくい、というのがあったのですが、今は本当に、何でも直ぐに話し合って、一緒にやる。このまま行けるぞ、というのが一番の成果。
誰が味方になるんだろう
― 森へ行く前はどのような状況だったのでしょうか?

折笠:仕事に振り回されていました。人のペースに巻き込まれることが、結構多かった。人に合わせてしまっていました。

原田:内面的な部分を処理するのに、やたらとリソースを使っていました。あれをやったらどうなっちゃうんだろう、これをやったらどうなっちゃうんだろう、これをやった時に誰が味方になるんだろう…。分かりやすく言えば、足かせになっていました。

中村:責任者になって、自分にはできないよな、という感じが5年くらい前からあった。そういう立場でありながら、嫌われたくないという気持ちがあったんですよね。
人のことを信じてみよう
― 森での経験はどのようなものだったのでしょうか?

折笠:一番気付かされたのが、大谷さんの恐れているものとして語られた”変わらないこと”ということについて、何か、やっぱり打たれるものがあった。”変わらないことが怖い”という気持ち。そして、みんな一人一人が自分自身に壁を作りすぎなんだよ、という話になったんです。実際こうして会社の中に入っちゃうと、なかなかできないですよね。

― それを森の中でできた訳ですよね。
折笠:はい、開いた自分もありました。

原田:1日目は森に行った、って感じでした。そして2日目が森に呼ばれたって感じ。そして3日目は森になった。(森で気づいたことは)信じてみること、って感じですかね。なにか、人のことを信じてみようっていう。
役員である人から
直接聞けた
― 印象的なできごとはありましたか?

原田:3日目の朝、起きた時の感覚は今も忘れられないんです。もう、書きたいプログラムが頭の中にぶわーっと出てきたんですよね。あぁもう、あれ書きたい、これ書きたい、これを書きたいな、あれを書きたいな、あの人にあれやらなきゃいけない、あ、いけない、じゃなくて、あの人にあれをやってあげたいって感じですか。これをやってあげたいんだ、あれをやってあげたいんだ、っていうのが、ぶわーっと出てきて…あぁこの感覚久々だなって。

中村:(印象的なできごとは)確か、2日目の焚き火の時だったと思うのですけど「やっぱり、今日来ているこのメンバーで間違いなかった」という言葉を聞いて、あぁ、やっぱり、この人に付いて、やっぱり、守って…守るっていうのは大袈裟かもしれないけれど、守って事業を継続させて、成長させていかないといけないな、と。ああいう言葉を役員である人から直接聞いたことがなかったので、腹を割ってみんな話せたこと、聞けたことが良かったです。
直接、
話をするようになった
― 森から帰ってきてどんな変化がありましたか?

大谷:森のリトリートが終わった直後ということではないんですが、前はパソコンを介しての会話だったんですが、最近は、見かけるとつかまえて、直接話をするようになった。

原田:うちの仕入れ先のメーカーの方を集めて展示会をするのを、エイヤと半月くらいで設計して、残り半月であそこにいるメンバーと、こんな感じでやれば大丈夫だなと、恐れることなく当日までとても集中して、コードを書きました。
それで…本当に間に合っちゃって。今その製品版を作っています。それが1つの成功事例。いろいろ自分の中でプロセスを変えられた。
会社を良くしたい人は
必ずいる
― プロセスの変化の源は何でしたか?

原田:森の中で話したことが確信になりました。もうこれは間違いない、会社を変えることは、日常的な軋轢になるはずがない。今、軋轢があるだけだと。納得しないんだったら、納得させる必要はない。
ただ、会社を良くしたいと思っている人は絶対にいるはずだから、その人を探して、その人から意見を聴いて、やりましょうよ、って。今、棚卸しから在庫管理のシステムまでをガラッと変えるというのを、1月末までで動いている。

中村:多分前だったら、もういいや、このままにしておこうというのがありました。やっぱり自分の力、もしくは人の力を借りて、このままじゃいけないな、という気持ちになっている。迷いがなくなった。森の中で繰り返される、ゆっくり、静かに、感じる、を使っています。
5年間、
何をしていたんだろう
― 森のリトリートに参加してみてどうでしたか?

大谷:いやもう、やっぱり、自分がやろうと思っていたことが間違いなかった、と確信できた。もう本当に、そうですね。他でもいろいろと考えてはみたんですけど、あっさり森の3日間で。5年間何をしていたんだろうと思いました。そこが一番大きかったと思います。
(取材日:2012年1月)